Uncategorised

  1. 第二部:備え

    Words: | Date:

    By Rigo Zimmerman 冷え切った木造のボート小屋の中、ブイや網の隙間に腰を下ろし、外を眺めた。港に停泊している船は大粒の雨を受けながら、何かに脅える動物たちが身を寄せ合うかのように水面で揺らめいている。年老いた漁師たちは使い古した椅子に腰掛け、我々の方を横目で見ては、何かをささやき合っている。 3人の老人は年齢不詳で、荒涼とした海岸線のようにやつれた表情をしている。地表にしがみつき生きてきたかのように、腰は曲がり、体も傾き、長年にわたり労苦を背負いこんでいるような体型をしていた。 私たちがいるせいで、老人たちは何だか落ち着かない様子だ。この雨の中、小屋の明かりを見つけてやってきた私たちを、中に迎え入れはしたものの、どうコミュニケーションをとっていいのかも分からず困惑しているのだろう。この国の言葉を解さない私たちは、この異国の地に何のためにやって来たのか、その理由すら説明できない。 私たちはこの小屋で、パンクしたタイヤのチューブを交換しなくてはならない。寒さで凍てついた指先を暖めていると、不信感に満ちた眼差しが私たちを見つめる。激しい雨が小屋の屋根を叩きつける音だけが響いていた。 漁師たちは何か言葉を交わしたかと思うと、1人の老人が立ち上がった。彼は分厚い黄色のオイルスキンにゆっくりと着替え、ウールの帽子を深くかぶり、雨が雪へと変わった外に出ていった。 この漁師には何かしら懐かしさを感じさせるものがある。そうだ。私の父と似ているのだ。父は私にいろんな話を聞かせてくれた。北海の厳しい気候と過酷な労働の話を。そして、手袋をはめずに作業をするので、手がカニの爪のようにガチガチになって、感覚がなくなってしまうことを。旅立つ父を見送るとき、父の着ているウールのセーターが父の首や私の顔に触れる感触を今でも覚えている。海水の塩分のせいで、セーターがごわごわになってしまうんだと父は笑った。そして、セーターが重くて、「船の外に放り出されたら、すぐに沈んでしまう。でも、岸に流れ着いたら、セーターの模様でどこから来たのかがすぐに分かる」と、ぶっきらぼうに話す父の姿が今でも目に浮かぶ。この漁師が、父が昔着ていた服を着ているかのように見えた。そして、この漁師たちも父と同じく、泳ぎ方も知らずにずっと船に乗っているのかもしれない。 ドアが突然開き、漁師が若い女性と一緒に戻ってきた。ボート小屋の後ろにある集落の住人に違いない。ここに着いたとき、このボート小屋ではなく、あの集落に助けを求めることもできたはずだ……と、今さらに気が付いた。2人はまるで、この老人の人生を取り戻しに来たかのように見えた。女性がおずおずと口を開いた。「父が、この天候の中、自転車で行くのは止めたほうがいいんじゃないかと言っています」 漁師たちは私たちの存在を疎ましく感じていたり、怖がっていたわけじゃなかった、ということがやっと分かった。漁師は海をよく知っている。彼らは私が想像する以上に大きなリスクを背負って海で働いている。それでも、この3人の男は自転車での旅という未知の事象に心配をしてくれたのだ。だが私は、外に出ること、凍える天気、いかなる道も恐れない。 これまでにも、冬の旅では何度もピンチに直面し、その度に生き残るために何をすべきかを学んできた。山頂付近で雪の吹きだまりに埋もれたり、洪水で溺れそうになったり、家から遠く離れたところでペダルを漕ぐ力も尽きて、交通手段も何もないまま置き去りにされたり、暗闇の中、何十トンもあるようなトラックが唸りをあげて、自分のすぐ横を通り過ぎていったこともあった。 この漁師たちは、私が万全の準備をしてこのライドに臨んでいることを、冬をまったく恐れていないことを知る由もない。 必要なスペアパーツやツールはすべてシート下の小さなバッグに入っている。チューブはもちろん、手が凍えて、チューブをリムから上手く外せないときのために、コインやタイヤレバーも準備してある。必要なものはすべてこの小さなバッグの中に収納し、ジャケットのポケットは空にしてある。どんな悪天候に襲われてもいいように、万全の備えを行っている。 家を出る直前、突然暴風雨が襲ってきたときこそ、ウインターライドの最高のコンディションと言える。少なくとも、これ以上ひどくなりようがないことが分かっているのだから。むしろ、晴れているときの方が不安になる。変わりやす冬の天気は、いつ何時、急変するともしれないのだから。 だからこそ、ポケットには入るだけの着替えを詰め込む。雨天用のジャケット、手袋、厚手の帽子と薄手の帽子。こうして準備をしながら、父の言葉を思い出す。「銃を持っていて使わないのは構わないが、必要なときに銃がないと困ったことになる」 とにかく己に自信を持ち、他人のことを気にしないことが大事だ。ベルギーで行われた真冬のレース。持っているものをすべて着込んだ重装備でいると、オランダ人の選手がショートパンツとアームウォーマーだけの軽装で参加していた。その選手は、「そんなに寒いと感じないんだ」と肩をすくめて走り抜けていった。そのとき、こうした「プロ」を相手にしてもしょうがないと悟った。レース前にバイアグラを飲んでいれば体は暖かいだろうし、コルチゾンが効き始める前には汗だってかく。それより、自分では何も決められないくせに、人に聞いてくるやつに腹が立った。そんなやつには容赦なく嘘を伝えた。失敗し、経験から学ぶしかないことを教えるために。 私はいつも、窓から外を見て、空の様子を眺めたり、新聞を読んだり、ライドの前の夜に、バーで会った年配の人に天気のことを聞いてみる。ルートを事前に計画し、道路のコンディションを調べる。天候によっては標高の高いところは避け、知り合いに自分の現在地を連絡するようにする。 家を出てから最初の10分は、少し寒いぐらいの格好が一番だ。沢山重ね着をしてしまうと、やがて滝のような汗をかいて後悔する。ウェアには明るい色や目立つデザインを選び、路上での視認性を高めることが重要だ。また、手や足を常に暖かく保たなければいけない。父とは違って、凍てついた手ではハンドルが握れない。そして、一旦疑念が頭をよぎると、体は不安に支配されてしまうものだ。 私は目の前の漁師が着ている模様入りセーターを見つめた。あれでは、最初からあきらめて降参しているのと一緒だ。この漁師も、私の父と同じく、ただ運命を受け入れるしか他に術をしらないのだ。海の底のように冷たく、暗い冬の日のライドに、私がこの漁師のような態度で臨んだことは一度もない。私は常に灯台だった。決してあきらめることなく、迷うことなく、いつだって無事に家に帰るのだ。 私は女性の方を向くと、笑顔でこう言った。「お父様にご心配なくとお伝えください。我々は万全の準備をしております」

    Read the entire post »

  2. #oneoftheseplease: week 2

    Words: | Date:

    The cyclocross fan is a fickle one. Traditionally, ‘cross occurs in winter, although it is trending earlier every year. There is not a better cycling discipline to be buying for during the holidays because of the hard-wearing nature of the sport. Every cross rider/racer that we know could use something new on their bike right now, and all would be happy with anything on this list. (Or at the very least I would, which is the point of all this anyway.)

    Read the entire post »